なんて事ない話

おろしたてのノート

ミオとルナのMorningWords

編集者ミオ

こんにちは。ようこそ、“今日も、心がほどける場所。”へ。 このサイトは、日々の暮らしにちょっとした「やすらぎ」と「気づき」を届けるために生まれました。 登場するのは、ちょっと不器用だけど優しい心をもつ女の子「ミオ」と、彼女の相棒の黒猫「ルナ」。 ふたりのやりとりを通して、あなた自身の気持ちも、少しだけ整えられるような── そんなコンテンツをお届けしています。 物語・言葉・イラスト・音楽・商品紹介。 すべてが「今日のあなた」をそっと包み込むような優しさを持っていることを願って。 がんばる日も、立ち止まりたい日も、泣きたい日も。 ここに来れば、きっと大丈夫。 あなたの心が、ふっと軽くなりますように。

ノートの1ページ目と朝の光

昨日、文具屋さんで一冊のノートを買いました。

特に理由はなくて、仕事帰りにふらっと入って、なんとなく手に取って、なんとなくレジに持っていってしまったんです。そういうことって、ありませんか。

家に帰って袋から出したとき、思った以上にかわいくて、しばらくテーブルの上で眺めていました。ルナが興味深そうに近づいてきて、においを嗅いで、それだけで去っていきました。あなたはいいな、そういう感じで生きられて、とちょっと思いました。


翌朝、つまり今朝のことなんですけど。

コーヒーを淹れて、ノートを膝の上に置いて、最初のページを開きました。

真っ白でした。当たり前なんですけど、ちょっと、息が止まりそうになりました。

ペンを持って、まず名前を書こうと思いました。表紙の裏に、自分の名前を書く。小学生のころからの習慣みたいなもので、なんとなくそうするものだと思っていたんです。

でも、ペンが止まりました。

どこに書けばいいんだろう、と。

真ん中?右下?左上?なんか、どこに書いても、いい気がしなくて。自分の名前って、こんなに書きづらいものでしたっけ、って変なことを考えながら、しばらく白いページを見つめていました。


ノートと猫の静かな朝

そのとき、ルナがとことこやってきて、わたしの足の上に乗ってきました。

ノートに乗るんじゃなくて、足の上に。なんか絶妙なところに乗るんですよね、この子。

重みが膝に広がって、それだけで、さっきまでの「どこに書けばいい問題」が、どうでもよくなりました。

結局、ページの左上に小さく「mio」って書きました。全部小文字で。深く考えるのをやめた感じの書き方で。


なんで名前を書くとき、あんなに緊張するんだろうって、ちょっとだけ考えました。

きれいに書かなきゃ、とか。このノートに相応しい最初のページにしなきゃ、とか。そういうことを思っていたのかもしれないです。

新しいものって、始める前が一番重くて、一番きれいな気がします。

使ってしまったら、もうそのままで、戻れないから。


名前を書いたあと、そのページはそのままにして、ノートを閉じました。

今日は、それだけでよかった気がして。

コーヒーを飲みながら、ルナの背中を撫でていたら、窓の外でカラスが一羽、どこかへ飛んでいきました。

なんてことのない朝でした。


あとがき

名前だけ書いて、まだ2ページ目が白いです。なんか、それでいいかな、ってなってます。ルナには関係ない話ですが。


????あわせて読みたい  雪が降り始めたとき、世界が急に静まり返るあの感覚

Recommend

1話アイキャッチ 1

???? 第一章???? Morning Has Broken ─ やさしさの中に始まる今日by C ...

-なんて事ない話